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EXHIBITIONS

ユージーン・スタジオ 新しい海

EUGENE STUDIO After the rainbow

ユージーン・スタジオ ゴールドレイン(部分) 2019 作家蔵 © Eugene Kangawa

ユージーン・スタジオ 善悪の荒野 2017 作家蔵 © Eugene Kangawa

ユージーン・スタジオ 「レインボーペインティング」より 2021 作家蔵 © Eugene Kangawa

ユージーン・スタジオ Our dreams|夢 2021 作家蔵 © Eugene Kangawa

ユージーン・スタジオ スタジオ風景 2021 © Eugene Kangawa

ユージーン・スタジオ 制作風景 2021 © Eugene Kangawa

 国際的評価が高まる新進気鋭のアーティスト、EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)の国内美術館での初個展「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」が開催される。平成生まれの作家としては、東京都現代美術館初となる個展。

 EUGENE STUDIOは寒川裕人(Eugene Kangawa、1989年アメリカ生まれ)による、日本を拠点とするアーティストスタジオ。個人的な関心から美術史、過去の事象や文明などの主題を並列に昇華させた作品群を展開している。

 2017年に資生堂ギャラリーで個展「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」を開催。主な活動に、「89+」展(サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン、2014)への作品提供、「資生堂ギャラリー100周年記念展」(2018〜19)におけるイギリスの建築家集団アッセンブルとの協働、「de-sport」展(金沢21世紀美術館、石川、2020)への参加、アメリカを代表する現代SF小説家ケン・リュウとの共同制作《ALTER》(2017)。また、短編映画2本(アメリカ/日本、2021)が、アカデミー賞公認の映画祭を含む複数の国際映画祭のオフィシャルセレクションに選ばれるなど、自由な発想の幅広い活動に多くの注目が集まる。

 本展はEUGENE STUDIOの多岐にわたる活動に通底する視点や発想、哲学をひも解くもの。平面作品から大型インスタレーション、映像作品、彫刻作品などで構成され、代表作「ホワイトペインティング」シリーズ(2017〜)や《善悪の荒野》(2017)から最新作までを一堂に展示する。

 会場は、展覧会タイトルにも掲げる「新しい海」を象徴するインスタレーション《海底》から始まり、スタンリー・キューブリックの映画 『2001年宇宙の旅』に登場する原寸大の白色の部屋を再現し、風化させた大型の彫刻作品《善悪の荒野》、「共生」「世界の膨らみ」をテーマとした展示を経て、展示室の外へと続く新作の写真作品《小さな共通項(36人で同時に見上げた空)》で締めくくられる。生命誕生の起源が海であるなら、本展覧会が新たな発想の糧となり、これからの世界のありようへと影響を及ぼす
私たちの意識は「新しい海」と言えるかもしれない。
 
 また本展では、太陽の下に作品をさらし、陽の光と作品自体の影によってグラデーションが現れる平面の新シリーズや、展示室のどこか完全な暗闇のなかに、かたちをとった瞬間から、作家本人でさえも永遠に見ることができない彫像の新作《想像》などが展示される。

 会期中には、EUGENE STUDIOの映画作品にも注目し、10以上の国際映画祭で受賞を果たした2本の短編映画を特別に鑑賞する機会も設ける予定だ。